高学年との関わりはどうしている?
うまく関わるヒントとかあるの?
うんうん
いいのがあるよー
今回は「思春期の高学年と関わるポイント」についてイオピーマンなりに簡単にわかりやすくお伝えして行きます。
この記事を読むことで「高学年と向き合うポイント」について理解できるようになります。
そうなることで 、高学年と指導員がナイスに関わることができるヒントが得られます。
またそれは低学年の子どもたちにも良い影響を与え、学童保育全体の生活の安定にもつながってきます。
つまり、高学年との関係がうまくいけば、学童保育は落ち着いてくる
高学年を制するものは、学童保育を制す‼
どうぞ最後までお付き合いください。
高学年と学童保育
学童保育は児童福祉法の改正(2015年)に伴い、6年生まで入所できるようになりました。
しかし
・「高学年」となれば、自分で身の回りのことがある程度できるようになるから、手がかからないよねー
・「高学年」は保育しやすーい
という声は聞こえてきません。
むしろ、その逆です。
高学年が生活の雰囲気を壊す…
高学年の反抗に対応できない…
こちらの声の方が多く聞こえてきます。
高学年は男女とも思春期に差し掛かります。
発達状況は人それぞれ…
心と体が成長する過程で、モヤモヤと葛藤の間で自分をコントロールするのが難しくなる時期です。
みなさん…
自分の思春期を
思い出して…
まずは高学年の発達の特徴を抑えておきます。
高学年の発達の特徴
放課後児童クラブ運営指針(第二章)にその特徴と配慮するべき視点が明記されています。
わかりやすく整理…
一部省略
放課後児童クラブ運営指針(第二章)
2.おおむね 11 歳~12 歳(特徴)
- 自らの得意不得意を知るようになる。
- ある程度、計画性のある生活を営めるようになる。
- 大人から一層自立的になり、少人数の仲間で「秘密の世界」を共有する。
- 友情が芽生え、個人的な関係を大切にするようになる。
- 思春期・青年期の発達的特徴が芽生える。
あるある
こういう特徴
あるある…
放課後児童クラブ運営指針(第二章)
5.おおむね 11 歳~12 歳(子どもへの配慮)
- ○ 発達的特徴を理解することに努め、信頼に基づく関わりを心掛ける。
- ○ ある程度、計画性のある生活を営めるようになる時期であることを尊重する。
- ◯子ども自身が主体的な遊びや生活ができるような関係を大切にする。
- ○ 思春期・青年期の発達的特徴が芽生えることを考慮し適切な対応をする。
いるいる
こういう配慮
いるいる…
ではこんな高学年たちと、どのように関わっていくかを考えていきます。
高学年との関わり方
指導員は高学年に対し、「目を離していく」関わり方が大切になってきます。
えーっ
目を離すの⁉
なぜならそれが子どもたちの成長に応じた関わり方だからです。ここで、
子どもたちと関わる際のひとつのヒントになる「子育て四訓」を紹介します。
子育て四訓
- ①「乳児はしっかり、肌を離すな」
- ②「幼児は肌を離せ、手を離すな」
- ③「少年は手を離せ、目を離すな」
- ④「青年は目を離せ、心を離すな」
③④に注目します。
小学生はこのあたりに該当します。
子育て四訓…
おおむね 11 歳~12 歳(高学年)は「青年は目を離せ、心を離すな」の段階に入ろうとしています。
ここで「目を離せ」に着目します。
何でも自分でできる、考えられる力が身についてきている高学年には「目を離す」関わり方が指導員として必要となってきます。
これは「発達的特徴を理解することに努め、信頼に基づく関わりを心掛ける」ことに繋がり、「思春期・青年期の発達的特徴が芽生えることを考慮し適切な対応をすること」にも通じます。
運営指針の配慮すべき点とつながってきます。
信頼に基づく関わり…
適切な対応…
「目を離す」…
目を離す関わりとは、子どもの行動に対して必要以上に干渉しないことです。
高学年のその子たちが関わりを求めている場合はともかく、それ以外のときは必要以上に関わらないことがポイントとなります。
なぜならその子たちは
自分のことは自分でやりたい
周りの大人にとやかく言われたくない
という心情になりやすい時期だからです。
みなさん…
自分の思春期を
思い出して…
そして、時に高学年の子どもたちは学童保育のルールを無視したり、自分たち中心の行動をとる場合があります。
例えば
- 学童保育に帰ってこなくて、どこかで道草を食う
- 部屋に入る時間に入ってこない、出ていく
- 遊具を独占する
- 順番を抜かす
- 低学年にやさしくしない
- イライラをぶつける
などです。
あるある…
そのときに指導員が
・ルールを守りなさい
・言うことを聞きなさい
・きちんと向き合いなさい
と言う関わりをしてしまうと彼らの反発を招いてしまう危険性があります。
高学年になるとその子たちは、善悪の判断はもちろん、ものごとを理論的に理解する力なども身に付いてきています。
その状態でこまごまと注意したり、正論をかざす関わりを指導員が示すことは、その子たちにとってマイナスに作用してしまう恐れがあります。
反発を招く恐れ…
しかし、高学年とはいえ「目を離す」ことに指導員として不安も感じます…
目を離す⁉
ほったらかし⁉
高学年は自由でいいの?
「目を離す関わりがよい…」「必要以上に関わらない…」と言っても、高学年の子どもたちのマイナスに見える行動をそのまま放置していてもいいの?という疑問が湧いてきます。
・放置してたら生活はもっとグチャグチャになるぞ‼
・それでそれを低学年が見ているから何年か先にそれの真似をするぞ‼
・ルールや決まりを守るように、指導員が毅然とした態度を示さないと子どもたちになめられてしまう‼
・それに彼らが中学校に進んだら、中学校生活はそんなに甘くないぞ‼
・今のうちにしっかりと正しいことを伝えなければいけない‼
・自由にさせておくのは反対だ‼
・しっかり注意しなければ、この子達のためにならない‼
・そもそも指導員が子どもたちに背中を向けて、目をつむることが正しい関わりだと言えるのか?
・まっすぐに向き合えば、指導員の思いは伝わるものだろ‼
・正面から向き合い、指導員の熱い思いを彼らにぶつけるんだ‼逃げるな‼
・きっとこの子達はわかってくれるよ‼
・子どもたちを信じろよ‼
・それが指導員の在るべき姿じゃないのか‼
おっしゃるとおりです。
この方のような子どもとの関わり方は大切です。基本です。
指導員として正しいことを伝える…向き合うことは重要です。
指導員のその思いが通じ、問題なく子どもたちも指導員も学童保育で快適に過ごせているのであれば、何の問題もありません。
問題なければそのままで大丈夫です。
しかし、このような熱い思いを持っていても「うまくいかない」ことがあるのが思春期の子どもとの関わりです。
向き合えば、向き合った分だけ結果が返ってくる…ということばかりではありません。
青春ドラマのようにはいかないケースも…
ここでポイントに戻ります。
子育て四訓の「目を離す…」にもう一度注目します。
高学年の問題行動に対しても、大きな事故やケガにつながらない範囲のことは、指導員は勇気をもって目をつむります。
目を離す関わり…
目をつむる…
それが子どもたちの発達面を考慮した関わりとなります。
次に、「心を離すな」の部分にスポットを当てます。
子育て四訓の④「青年は目を離せ、心を離すな」についてです。
そしてこの部分は、言い換えると…「必要以上に関わらなくても、心は結んでおく必要がある…」という意味で捉えられます。
目を離しても、心はつながっている状態…
心を離さない…
「心を離さない」でいると高学年の子どもたちは落ち着いてきます。
なぜなら子どもたちは
・わかってくれている
・認めてくれている
・信じてもらえている
という感覚になることができるからです。
指導員の心は高学年の気持ちに寄り添います。
例えば6年生たちが好き勝手にしているように見える行動に遭遇しても…
・一人ひとりが、いろいろな思いを抱えているのが理解できるな…
・学校と学童と家庭でのバランスを今、調整している時間なのかな…
・あとで全然関係ない最近流行りのYou Tubeの話をしようかな…
・今日も学童保育に帰ってきてくれる…それだけで感謝だね
というふうに捉えます。
それが「心を離すな」です。
目を離す関わり…というのは表現なので子どもたちに対して本当に「目を向けない」、「完全放置」するわけではありません。
無視ではない…
必要以上には関わらず、しかし、気にかけている状態です。
それは逆に言うと「目で合図する関わり」です。
目を離して関わるね
あなたを信じているからね
それでわかり合います。
目と目で通じ合う♪
ということは、高学年との関わりは、目が合うだけで理解し合える関係性である…とも言えます。
そこに言葉はいりません。
必要以上に関わらなくても、目が合うだけで尊重し合う雰囲気がそこに広がります。
子どもを信じているからこそ、必要以上に関わらなくても大丈夫…ということです。
目を見るだけで心がつながる…
それが「青年は目を離せ、心を離すな」の本質部分であるように感じます。
高学年との関わりがうまくいかない場合、彼らの色々な行動に悩まされます。
しかし、「その行動には目をつむり、彼らの心の目とは繋がり合うこと…」それを一度、お試ししてみるのはいかがでしょうか?
まとめ
高学年になれば思春期に入る子どもたちがいます。
男女共々…
高学年は時に、自己中心的に見える行動をし、学童保育の生活を乱すことがあります。
そんな時にヒントにしたいのが「子育て四訓」です。
子育て四訓
- ①「乳児はしっかり、肌を離すな」
- ②「幼児は肌を離せ、手を離すな」
- ③「少年は手を離せ、目を離すな」
- ④「青年は目を離せ、心を離すな」
中でも「目を離せ」の関わりに注目します。
それは、「その子たちが関わりを求めていないときは、必要以上に関わらない」と言うことです。
子どもたちが大きなケガや事故につながらないことに対しては勇気を持って指導員は目をつむります。
目を離す関わり
それが子どもたちを信頼することにつながります。
ポイントは、「心は離さない」です。
それは
目と目で通じ合う♪
目を見るだけで心がつながる…
ような感覚です。
あなたのことを理解しているから、そっとしておくね
あなたが大切だから、いつも見守っているね
という心を通わせます。
高学年の子どもたちは自分自身をコントロールする方法を日々実践しています。
模索中です…
自我との戦い、物事の矛盾、人間関係の葛藤と向き合いながら、今、実践の中で成長しているところです。
社会って何…
人生って何…
私たち指導員は、そんな子どもたちと向き合う上で何を大切にした支援ができるか?
私たちの実践も試されているように思われます。